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2008年5 月11日 (日)

シンプリシティの法則

単純に考えれば、機能が多ければ多いほど、製品の価値は高まるように思われる。しかし、機能の乏しい上に高価なiPodが、他のプレーヤよりも売れていることからも分かるように、人はシンプルに作られているものを、そうでないものよりも遙かに強く需要している。だから、過度な複雑さを減らし、シンプルであることを追求することで、すばらしいプロダクトを作ることができる。

本書では、シンプリシティのための10の法則が上げられている。

  1. 削減 :本質を生かしたまま、それ以外の要素をできるかぎり減らす。
  2. 組織化:要素をまとめて、わかりやすくする。
  3. 時間 :待ち時間を感じさせない。
  4. 学習 :基本知識を学習させる。
  5. 相違 :意識的に複雑さを用いて比較させる。
  6. 余白 :見えないものを活かす。
  7. 感情 :共感させ、愛着をもたせる。
  8. 信頼 :信頼を獲得する。リラックスさせる。
  9. 失敗 :完全なシンプリシティは実現不可能。
  10. 1   :明白なものを除き、有意義なものを加える。

基本となるのは、1の削減である。削減の手法は縮小(SHRINK)、隠蔽(HIDE)、具体化(EMBODY)の3つで著者がSHEと名付けている。これは、一言で表すと、できることを減らし、他の全てを隠しつつ、本質的価値を具体化することだ。

シンプリシティはゼロにシンプリシティを足して得られるのではなく、複雑なものを研磨することで得られるのだと思った。シンプルにすることは重要だが、始めにあるものに価値が乏しければ、シンプルにしてもゼロになるだけでしかない。本書の中でも、シンプルさと複雑さを揺り戻させることの重要さが繰り返し語られている。シンプルさを追求することは、複雑にする努力を惜しまないことでもあるのだ。

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